クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
♪〜♪〜♪〜
1人、道端で泣いていると、突然スカートのポケットから携帯の鳴る音がした。
私は制服の袖で涙を拭きながら携帯を開く。
『黒川くん』
画面にはそう表示されていた。
…ここに来て…別れ話だったら。
不安な時は、嫌なことばかり想像してしまう。
私は、鳴り止まない携帯のメロディを、やっと通話のマークを押して、止めた。
「…もしも…し」
『姫野さん?今どこにいるの?』
「…えっ…もう少しで、お家に着くところだけど」
心臓が悪い意味でドキドキする。
いつ切り出されるかと怖くてあちこちから汗が吹き出る。
『ちょっと南夏!急に呼び出して何?』
『おい、静かにしてろよ』
──────っ?!
黒川くんの電話の向こうから、女の人の声が聞こえる。
何…。
今一緒にいるの?
…なんでそんな時に私に電話なんか…。
もしかして…やっぱり…。