クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「はぁ…はぁ…」
シエルの前に着いてから、はぁはぁと息を整える。
前にこんなことあったな。
愛葉くんに無理やり走らされて…。
バイト服姿の黒川くんが見れて。
なんて、思い出に浸っていると。
黒川くんがカランとカフェのドアを開けて、私にも入るように手招きした。
──────っ!!
お店に入ると、カウンターの方に学園祭の時に見た黒川くんといた女の子が座って、彼女もこちらを見て驚いた顔をした。
「…あなたっ!」
女の子が立ち上がり、私を指差して話出そうとした瞬間。
「初めにしっかり訂正しておくと…」
黒川くんは女の子にビシッと指を指すと話し出した。
「俺はこんなおしゃべりでガサツで自己中心的なやつのことを一度も恋愛対象として見たことないし、もしあいつが俺のことをそう見ていたとしてたらこっちからお断りだ」
「はぁー?!ちょっと南夏!あんた人のこと呼び出して何言いたい放題言ってんのよ!」
「俺は、もうずっと前から。ずっとずっと…姫野さんのことしか好きじゃないよ…」
「…え」
「はぁ?南夏あんたなんなの?わざわざ呼び出してイチャイチャ見せつけたかったわけ?」
女の子はイライラしながら、腕を組んで私たちのことを見ている。
黒川くんと付き合ってるわけじゃ…ないの?