クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「…黒川くんのお母さんに…少しでも…可愛い彼女だって…思われたいから」
「……うん」
黒川くんはそう言って少し俯いた。
「黒川くん?」
「あぁ、うん。母さん、すげぇ喜ぶと思う。絶対」
「…うんっ」
なんだかすごく恥ずかしい。
だって、恋人の親に会うなんて。
まるで、結婚前の顔合わせみたいで。
なんて。
少し調子に乗ったことを思っちゃう。
「ねぇ、姫野さん?」
「ん?」
「…ありがとうね」
「え?」
黒川くんが何に対してお礼を言っているのかよくわからない。
「俺のこと、助けてくれて」
「…助ける?…助けられたのは私の方だよ?」
黒川くんは何を言っているんだろう。
風邪を引いた時も、襲われそうになりかけた時も。
助けたのはいつも黒川くんの方なのに。
「…いや、俺だよ。この手をずっと離さないでいてくれて。ありがとう」
「…改まって言われると、恥ずかしいよ」
「フフッ。そんな顔する姫野さんみられるならもっと言う」
黒川くんは少し無邪気に笑うと。
「…大好き」
そう言って、私の頬にキスをした。