クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!



もしかして…黒川くん…。



よく学校を休んだりしていたのって…。


お母さんのお見舞いに来ていたりしたのかな?


それで…。



「…姫野さん。母さんに…自己紹介してくれる?」


「…えっ」


「喜んで目覚ましてくれるかも」


黒川くんはまた無邪気にそう言って笑うと、私の手を引っ張って、ベッドの隣に連れてきてくれた。


「…あ、えっと…」



目を閉じている黒川くんのお母さんは、化粧をしていないはずなのに、すごく綺麗で。


黒川くんの顔はお母さん譲りだななんて思って。


「…こ、こんにちは。黒川南夏くんにいつもお世話になってます…姫野沙良です」



そう挨拶をしても、もちろん返事がないことは病気のことをよくわかっていない私でも黒川くんのさっきの説明でなんとなくわかっていた。


それでも、黒川くんのお母さんが今にでも微笑んで「こんにちは、姫野さん」なんて黒川くんに似た笑顔で言いそうだなんて思って。


「…黒川くんには、いつもいつも大変お世話になっていて…すごく…すごくいい子で…たくさん助けてもらっています」


黒川くんへの思いが。

お母さんの顔を見て一気に溢れてきて。



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