クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!



黒川くんの時々見せる、寂しそうな顔の原因がだんだんわかってきて。


黒川くんがどれだけ、いろんなことを我慢して私に隠してきたのかがわかってきて。


黒川くんが抱きしめた時の温もりや。
黒川くんがギュッと手を握った時の強さや。


全部全部。


全てが重なって。


『黒川くんの好きなお母さんの手料理はなんですか?』

『黒川くんは小さい頃どんな男の子でしたか?』

『黒川くんが生まれた時、どんな気持ちでしたか?』


たくさんたくさん聞きたかった黒川くんのことが。


たくさんたくさん聞きたかった黒川くんのお母さんのことが。


今聞けないのが辛くて。悲しくて。



「…黒川くん…ごめんねっ。私…何も知らなくて…」


私は、お母さんに自己紹介をしながら、ポタポタと涙を落としていた。



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