クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
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「…南夏」
少しの間、黒川くんのお母さんと一緒にいて、黒川くんからお母さんの話を聞いてから病室を出た時、正面から歩いてきた人が黒川くんにそう声をかけてきた。
「…父さん」
─────っ?!
そこには、見覚えのある白髪混じりの髪に貫禄のある人がスーツを着て立っていた。
私たちの学校の校長先生で。
黒川くんのお父さんだ。
「…あ、えっと…こんにちは。姫野沙良です」
校長先生としてか黒川くんのお父さんとしてかどう挨拶していいかわからなくなり戸惑う。
「よく聞いてるよ。息子がいつも世話になってるね」
入江校長先生は、集会の時と変わらず穏やかな声でそう言ってくれた。