クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「…俺だけだけじゃなくて。父やきっと今もまだ眠ってる母も。姫野さんにはすごく感謝してると思います」
『ここ、俺の大切な場所なんだ』
『ここで俺の人生が変わったんだ』
少し前、デートの帰りに寄った公園で。
黒川くんはそんなことを言っていた。
そこで私は3年前、酷く殴られた男の子の手当てをしたことがあったけど。
もしかして。
心臓がドクンドクンと大きく鳴り出す。
「姫野さんのご家族に認めてもらえないまま、お付き合いするのは…違うのはわかっているんですが」
「黒川くん…」
「姫野さんのおかげで生きる意味がわかったって言うか…俺にとって…姫野さんが人生になって言って。重いとか気持ち悪いって思われても仕方ないです…だけど…」
「お前は、沙良を幸せにしたいと思っているのか?」
「…えっ」
「どうなんだよ」
「…いや…俺は…」
黒川くんが少し口ごもってから、ゆっくり口を開いた。
「…姫野さんといることが俺にとっての幸せなので…幸せにしたいって言うの少し違います…」
言われていることは、すごく。
すごくすごく嬉しいことなのに。
お兄ちゃんにとって黒川くんの言葉1つ1つが正解なのかわからなくて、不安になる。
「幸せは…自分で掴むものだと思うから。俺は素直に…姫野さんとずっと一緒にいたいので…それを許してほしいです」
黒川くんはそう言ってお兄ちゃんに頭を下げた。