クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
………………
………………
「…はぁ」
長い沈黙の後。
お兄ちゃんが深いため息をついた。
そして。
「顔あげてよ、黒川くん。君には負けた」
へ?
お兄ちゃんが、少し微笑みながら黒川くんにそう言った。
どう言うこと?
なんで笑ってるの?
「へっ…?」
黒川くんもキョトンとした顔をしている。
「いやー参ったよ。ケーキ取りに行く前に、2人のこと尾行して、その後校長先生に色々お話を聞いたんだけどね…先輩のことボコボコにする黒川くんのことだから、俺に怒鳴られたら逆上するんじゃないかって内心ビクビクしてたけど。負けたよ」
へ?
え?
はい?
『尾行』とか『校長先生』という単語かお兄ちゃんの口から出てきたもんだから思わずびっくりして、瞬きを忘れてしまう。