クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「…あ、沁みましたよね…ごめんなさいっ」
「…いや…」
「でも、こういうのは早く手当てした方が治りも早いと思うので」
「……っ」
彼女が少し手を動かすたびに、シャンプーなのか、柔軟剤なのか、香水とは違うフワッといい香りが広がって。
不思議とその瞬間だけ、嫌なことが全部忘れられた。
「…他に…痛いところはないですか?」
「…あぁ」
幸い、骨折などの重傷の心配もなかったのでそう答える。
「…そうですか…よかった」
彼女はそう胸をなで下ろす。
「…あのさ…君…」
どうしてここまで良くしてくれるんだ。
赤の他人の俺に、しかもどう見ても喧嘩の後の怪我の仕方をしている俺に。
どうして優しい言葉なんか。