クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
これって…
手にとってその中をみる。
─────っ?!
「…ヒメノ…サラ…」
中にはさっきまでここにいた女の子が少し緊張感した顔で写っていた写真と、名前、生年月日、学校名があいてあった。
「…姫野…沙良…」
もう一度、彼女の名前を呼ぶ。
すると、今までになかった感情が一気に押し寄せてくる。
あの声や、匂い。
思い出すだけで、顔に熱を持つ。
彼女が貼ってくれた頬の絆創膏を手の腹で包む。
心臓がトクンと鳴る。
俺…。
彼女のこと…。
俺、まだ死ねないや。
もう一度、彼女にあって、ちゃんとお礼を言えるまで。
そして。
まだこの世の中に、純粋で綺麗な心を持ってる人がいることが。
汚れたものを何も知らない彼女に会えたことが。
大きな希望になって。
俺は大きな一歩を踏み出した。