クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
カランコロン
愛葉くんが『close』と掛けられているドアを開けた。
「遅くなりまして誠に…!!」
「うぉとらっっっ!!てめぇー!!これで遅刻何回目だ!」
大きな怒鳴り声が聞こえて体がビクッとしてしまう。
「…あ?…しかも女連れて来てやがるじゃねぇーか!!てめぇはどういう神経してんだ!」
お店に入ってすぐ頭を下げた愛葉くんの前に、仁王立ちしてそう怒鳴る、ガタイのいい男の人。
すごく…怒ってるじゃん…。
私は怖くなって愛葉くんの後ろで小さくなる。
なんでこんな目に遭わなきゃいけないのよ…
「…姫野さん?」
……!
安心するいつもの優しい声がそう呼ぶのが聞こえて、私は顔を上げる。
「…黒川くん」
私は目の前でポカンとしている彼を見てそう名前を呼ぶ。
「え、何…なっちゃんこの子知り合い?」
さっきまで愛葉くんを怒鳴りつけていた男の人は私をみると、黒川くんにそう聞いた。