クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「え、愛葉くんのお兄さんなんですか?!」
私はお店のカウンターで飲み物を準備する、ガタイのいい男の人に向かってそう聞き返す。
今目の前にいるこの体格のいい男の人は、ここのカフェの店長で、今、床で正座中の愛葉くんのお兄さんだって言うもんだから。
「うん♪けんちゃんって呼んで!」
さっき、愛葉くんを怒鳴っていた人とは思えないほどの可愛らしい笑顔でそう言う。
「…よろしくお願いしますっ」
私はそう言って頭を下げる。
「…で?音楽、あんたなんでこんな子猫ちゃん連れて帰ってきたわけ?」
「…えっと…姫野ちゃん連れてけば、話題が俺の遅刻より姫野ちゃんの方に興味がいくと思ったから」
「…ったくクズな男!ごめんね〜沙良ちゃん」
「…いえ…」
「でも現に今こうやって、注目は姫野ちゃんに集まったじゃん」
「…音楽、お前姫野さんなんだと思ってんの?あんまり調子乗るとマジで殺すぞ」
!!
黒川くんがいつもよりすごく低い声で、そう言うのでびっくりしてしまう。
黒川くん…すごく怒ってる…。