クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「相手が男だってわかってたら、許可なんてしなかったよ」
「え?」
「…姫野さんは自覚が無さすぎるから。…おい、俺が行く。そのメモよこせ」
黒川くんは私から塚本くんに体の向きを変えると、私と話す時とは別人の顔と低い声でそう言った。
「…あ、はい…」
塚本くんはそう言い、持っていた買い出しリストのメモを黒川くんに渡す。
なんだか…申し訳ない。
せっかく塚本くんやクラスの子達と関われるチャンスだと思ったのに…。
「行くよ、姫野さん」
「あっ」
黒川くんは私の腕を掴むと、いつかのようにズンズンと歩き出した。
塚本くん…ごめんなさい。
私は後ろを振り返って、こちらを見つめる塚本に心の中でそういう。
「見ないで」
黒川くんは後ろを振り返り塚本くんを見つめる私にそう言った。