クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
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「姫野さん!」
「…わっ…は、はいっ」
重い足取りで学校に着くと、ドアの前で水田さんが迎えてくれた。
「…ありがとうね、私の代わりに買い出し!すごく助かった!」
「…えっ」
そういえば…私、昨日。
黒川くんを置いてそのまま帰っちゃって、買い出しなんて行ってなくて…。
「…あの、水田さん…ごめんなさい私」
「なんで謝るの?ちゃんとバッチリ全部揃ってたよ!」
「えっ?」
水田さんの見てる方向を見ると、教室の端に色とりどりの紙袋やレジ袋があった。
もしかしてあれって…。
「水田すまん、昨日、黒川が途中で来てさ、黒川と姫野さんが代わりに買い出し行ってくれたんだよ」
水田さんの後ろから塚本くんがやって来てそういった。
…違う。
私は途中で帰ってしまって…。
黒川くん、あの後1人で買い物して教室に持って来てくれたんだ。
「…黒川くんが」
「え?」
と水田さん。
「私は…途中で帰っちゃって。…それで…これは全部黒川くんが…」
「黒川が?」
塚本くんが驚いた顔をする。
どうしよう。
私ってば…最低だ。
あんなこと言ったのに、黒川くんはちゃんと仕事してくれて。
私は、黒川くんに会いに、教室を飛び出した。