クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
早く。
早く謝らなきゃ。
黒川くんのクラス、屋上に続く階段、中庭。
黒川くんがいそうなところをあちこち探し回る。
クラスの子と少し話せるようになったのも、学校が少し楽しいと思えるようになったのも全部黒川くんのおかげなのに。
「…黒川くんっ」
「…黒川南夏くんっ…」
私は息を切らしながら何度も黒川くんの名前を呼ぶ。
あんなことを言ってしまった私のことを。
黒川くんはもう嫌いかもしれないけど。
だけど。
「…黒川くんっ」
何度も名前を呼ぶ。
「…黒川くん!」
涙をこらえながらそう叫んだ時。
「…姫野ちゃん?」
そう私の名前呼ぶ声がした。