クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!
「…姫野ちゃん…なんで泣いてるの」
そこには、金髪と派手なシャツがトレードマークの愛葉くんが不思議そうにこちらを見ていた。
「…愛葉…くん…」
「…南夏のこと探してるの?」
愛葉くんは私に歩み寄って来ながらそう聞いてくる。
「…うん…ひどいこと言っちゃって…だから謝りたくて」
「…ほほぉーん。だからか〜」
愛葉くんはなんだかニヤニヤしながらそういう。
「え?」
「ううん〜なんでもない。…南夏、今日は学校に来ないと思うよ」
「…え…どうして?」
「さぁ〜」
「…さぁ…?」
もしかして…黒川くん私に会いたくなくて、学校に来ていないのかな?
謝りたいなんて。
もう遅かったのかも。
「姫野ちゃん、南夏の昔の話とか聞いたことある?」
俯いて涙をこらえる私の顔を覗き込みながら、とつぜん愛葉くんが、そう言いだした。
「…えっ。ないですけど…」
「姫野ちゃんにだけ特別にしてあげるよ」
愛葉くんはそう言って、噴水の縁に腰を下ろした。