清華魔法学園Ⅱ〜魔法戦争編〜
「いつか来るこの日を、この運命を、変えられるのはアナタの命が宿された日からアナタしかいないと感じていました。
だけどそれはあくまで可能性の段階。それを可能性ではなく、可能なことにしなければ世界は救えません。
そこで私は敢えてアナタを魔法使いとして育てさせませんでした。
魔法使いの常識、属性や詠唱、そういった概念から解き放つために」
楓おばあちゃんがゆっくりゆっくりと言葉を紡ぐ。
私の知らなかった、世界を、私を、伝えるために。
「アナタはどの属性にも属さず、詠唱を使わずとも魔法を使える、この世界のどこにもいないたった1人の最強の魔法使いになりました」
最強の魔法使い。
それは私にはあまりにもしっくりこない呼び名。
それでも私は知らず知らずのうちにそうなるように仕向けられていたのだろう。
.........全く実感が湧かないが。