課長の瞳で凍死します ~伊勢編~
妻です、という響きに、真湖がフリーズしている間に、仲居さんは一通り部屋の説明をしたあと、出て行った。
真湖が感激した天蓋つきのベッドを見上げ、雅喜は、
「寝たら何処でも同じだろうにな」
と言う。
言うと思いましたよ、と思いながら、その素っ気ない普段通りの口調に真湖も正気に返っていた。
「聞いていたか。
夕食は六時半だ。
それまで、各自、休むなり、風呂に入るなり、自由に過ごせ。
わかったか」
と組紐のついた小洒落た鍵をひとつ渡される。
各自って、二人しか居ませんが……。
っていうか、部活の合宿か、軍隊の訓練みたいなんだが。
まあ、この人に甘い雰囲気とか求めても無駄か、と思いながら、
「ちょっと着替えてきます」
と先程、下で選んできた色浴衣を手に、真湖は和室にこもった。
真湖が感激した天蓋つきのベッドを見上げ、雅喜は、
「寝たら何処でも同じだろうにな」
と言う。
言うと思いましたよ、と思いながら、その素っ気ない普段通りの口調に真湖も正気に返っていた。
「聞いていたか。
夕食は六時半だ。
それまで、各自、休むなり、風呂に入るなり、自由に過ごせ。
わかったか」
と組紐のついた小洒落た鍵をひとつ渡される。
各自って、二人しか居ませんが……。
っていうか、部活の合宿か、軍隊の訓練みたいなんだが。
まあ、この人に甘い雰囲気とか求めても無駄か、と思いながら、
「ちょっと着替えてきます」
と先程、下で選んできた色浴衣を手に、真湖は和室にこもった。