課長の瞳で凍死します ~伊勢編~
羽村たちが聞いたら、
『真湖りん、さすがにそれは気のせいだよー』
と笑うところだろうが。
いや、駅の売店でだって、うっかり一人にしておいたら、課長は美しい人に道を訊かれていた。
去っていく美女の背中を見ながら真湖が、
『あの人は、何故、課長にホームのことを訊くんですか』
と言うと、雅喜は、
『近くに居たからだろう……』
と言う。
それがどうした、という風に、買ったばかりの缶コーヒーをひとつ、くれた。
真湖はその缶コーヒーを握り締め、あちち、と思いながらも離さずに、
『課長より近くに変なオッサンが居たではないですか』
と訴えた。
『いや……普通、変なオッサンに声はかけないだろうが』
いや、そうなんですけどね……。
『真湖りん、さすがにそれは気のせいだよー』
と笑うところだろうが。
いや、駅の売店でだって、うっかり一人にしておいたら、課長は美しい人に道を訊かれていた。
去っていく美女の背中を見ながら真湖が、
『あの人は、何故、課長にホームのことを訊くんですか』
と言うと、雅喜は、
『近くに居たからだろう……』
と言う。
それがどうした、という風に、買ったばかりの缶コーヒーをひとつ、くれた。
真湖はその缶コーヒーを握り締め、あちち、と思いながらも離さずに、
『課長より近くに変なオッサンが居たではないですか』
と訴えた。
『いや……普通、変なオッサンに声はかけないだろうが』
いや、そうなんですけどね……。