課長の瞳で凍死します ~伊勢編~
「違いますっ。
 課長と一緒にいろいろしてみたいんですよっ」

「いや、お前、撮りたけ撮っといて言うなよ」
と言う雅喜の腕をつかみ、一緒に和室に上がる。

「今、お茶淹れてきますっ」

「いいから、マッサージチェアに座れ。
 撮ってやるから」
と言いながら、マッサージチェアの方に行ってしまうので、仕方なくついていった。

「……じゃあ、課長も一緒に座ってください」

「それは莫迦だろう」
とすげなく言われてしまう。

 マッサージチェアに座る真湖、の上に座る雅喜。

 いや、上でなくともいいのだが。

「第一、誰が写真撮るんだ。
 霊か?」

 いや……霊はもういいです、と言った真湖の先を見て、雅喜が言った。

「じゃあ、最後に入ってくか」

 南のベランダにあるジャクジーを雅喜は見ていた。

「はいっ」

 そういえば、あれに入りそびれてたんだったっ、と真湖は一緒にベランダに出て、お湯を溜めたり、入浴剤を入れたりする。

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