課長の瞳で凍死します ~伊勢編~
ラブラブには程遠いです~っ!
今回は外宮に行かずに、いきなり内宮からだった。
雅喜は、何事かが起こることを想定していたのか、かなりゆったりめにスケジュールを組んでいた。
……何事も起こらなく来ましたよ。
私の夢以外では、と思いながら、真湖は雅喜の斜め後ろをついて歩く。
真横に並ぶのがちょっと恥ずかしく、つい、そうしてしまったのだが。
くるりと振り返った雅喜に、
「後をつけられてるみたいだからやめろ」
と言われた。
「す、すみません……」
では、失礼して、と真湖は足を速め、真横に並んだ。
樹齢何百年というような杉の大木に囲まれた参道の空気はとても気持ちがいい。
確かに神様が居そうだ、と思ってしまう。
口を開けて、大杉を見上げていると、
「どうした?」
と訊かれた。
「なんていうか。
ははーって感じですね」
と言うと、
「ははーってなんだ?」
と問われる。
まあ、そりゃそうか、と思いながら、答えた。