片想い卒業します


「だって、もう勝ち目がないじゃない?」


「勝ち目がないって、どういうことなの、美月?」


いきなり勝ち負けを口にする私に、目を丸くして驚く梨央。


そうだよね。


突然、変なことを言うんだもの訳が分からないよね。


「だって棚橋さんみたいな可愛い子が側にいたら、森山君だって他の女の子のことなんか目に入らないと思うの」


「ちょ、美月。なに言ってるの?」


顔色が変わる梨央。


「だってね、梨央。あんな風に笑いながら話す森山君を見るのは棚橋さんと話す時だけなんだよ。いつも彼を見ていたから私、分かるもん」


「分かるって、なにを?」


私の話に焦る梨央。

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