片想い卒業します


「ハンカチ、貸してくれてありがとう。

森山君に話したいことがあります。

部活が終わってからでいいので、3年半前のあの場所へ来てもらえませんか?」


やっぱり、森山君には意味が通じなかったのかも。


3年半前のことなんか、もう忘れちゃってるよね。


梨央に言われて、私なりに最大限に努力をしたけれど、上手くいかなかったよ。


でも、何もしないで諦めるよりも、行動に移せたんだから恋愛に奥手な私にしては進歩したよ。


これも梨央が叱ってくれたおかげ。


感謝しなくちゃ!


そんなことを考えながら歩いていると……。


「杉本!」


後ろから名前を呼ばれて振り向くと。


「も、森山君、おはよう」


私の事を呼んだのは森山君だった。

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