片想い卒業します
*告白と和解
「悪い、杉本。遅くなって……」
息を切らしながら入ってきたのは森山君だった。
「ううん。忙しいのに来てもらっちゃってごめんね」
「ミーティングが長引いてさ、終わってから直ぐに来たんだ」
「そうだったんだ、良かった。私、森山君の連絡先が分からないからどうしようかと思ってたんだ」
苦笑いしながら言うと、
「あっ、そうか。俺……」
森山君が「やべぇ」なんて独り言を言っていた。
「悪い。杉本に俺の電話番号教えてなかったんだな」
「あ、うん」
「杉本、スマホ持ってるだろ?」
「持ってるよ」
「なら、スマホ出して」
「え?」
「俺の番号教えるから」
「そんな、森山君はいいの?」
「は?」
「私にスマホの番号を教えて本当にいいの?」
「なんで?」
森山君はスマホを持ちながらキョトンとしている。