片想い卒業します
「だって、森山君は彼女がいるんでしょ?」
「……彼女?……俺に?」
「うん」
面食らった顔をしている森山君は
「俺、好きな人ならいるけど、彼女なんて元からいねぇし……どこでそんな話が出てきたわけ?」
私に詰めよる森山君。
森山君、今は彼女がいないんだ。でも、好きな人はいるって言ってたよね?
そっかあ……好きな人がいるのかぁ。これじゃあ告白する前に失恋が確定しちゃったよ。
ショックを隠しきれない私は
「えっと、私も噂話で聞いただけだから……分からないんだ。ハハハ……」
ただ笑ってごまかすしかなかったんだ。
「まあ、俺はオマエに教えても特に問題ねぇから。スマホ出して」
「……はい」
お互いにスマホを差し出し、赤外線通信で番号を交換した。
「それで、俺に話があるんだろ?」
森山君がベンチに腰掛けながら聞いてきた。
そうだ!
私の方から呼び出して来てもらってたの、忘れてたよ。