片想い卒業します
「まあな。真帆のヤツ、兄貴が好きだなんて、趣味悪いよな」
ボソッと呟く森山君。
「へぇ、そうなんだ」
見た目は森山君と同じイケメンだけど、中身は正反対のチャラチャラした印象のお兄さん。
そんな彼と可愛らしい棚橋さんか、意外だなぁ。
「なあ、杉本」
「なに?」
「さっき、俺の兄貴が言ってたことなんだけどさ」
「うん、片想いしてるんだよね?」
「ああ……」
私の問い掛けに口ごもる森山君。
「あ、あのさ。俺……」
私の前に佇む森山君は、いつもの彼とは違って、落ち着かないのかソワソワしてる。
「俺、3年半前、この公園でさ」
私の顔をチラッと見ると、話を続けた。
「杉本に出会ってから、ずっと……」
森山君は、はあっと大きくため息を付くとパンパンと自分の頬を叩いた。
そしてーー。