一番星シリーズ~おまけSS
そんなあたしの行動に、蒼ちゃんはぷっと吹き出す。



「すずは相変わらず可愛いことするなー」



そう言って、握る手にぎゅっと力を込めてくる。



「蒼ちゃんの手、あったかいね」



手袋なんかより遥かに温もりを感じる。


このままずっと離したくないなあ。


そんなことを思いながら、ゆっくりと海辺を歩いていく。



「で?」


「え?」


「何で海?」


「……蒼ちゃんは、覚えてない?」


「ん?」


「あたしが、ここで言ったこと」



ちらりと視線だけを蒼ちゃんに向けて訊いてみる。



「やっぱりそれでか」


「覚えてるの!?」


「当たり前だろ。すずとのことで忘れてることは何一つないよ」



やさしく微笑みながらそう言う蒼ちゃんにドキンっと胸が高鳴る。
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