異常と呼べる愛を孕んで、君に吐き出し、自殺しよう
『死んでも愛してほしいから』
ーー
やれるだけのことはやった。
何日も時間をかけて。彼女をお姫さまのように扱い、宝物のように大切にし、誰にも邪魔をされないように二人っきりの時間を作った。
恋人同士、互いにインフルエンザにかかったと下手な嘘をついて何日かもらった休みを利用し、俺は彼女に際限ない想いを吐き出した。
声が枯れるほど彼女への想いを叫んだし、呼吸すらもままならなくなるほど愛し尽くしたし、時間の感覚が狂うほど没頭した。もはや食事は彼女から分泌されるもので事足りるほど俺はより彼女なしでは生きられないと思えた日々でもあったのに。
ーーもう、許して下さい。帰して。
彼女は、違った。
俺のつけた痕だらけの肩を震わせて、ただただ、俯いている。
どうしたら、愛してくれる?
ーー帰して下さい。
何をしたら、喜んでくれる?
ーーもう、駄目なんです。
どうやったら、笑いかけてくれる?
ーー私とあなたの愛情は、違う。
だから、もう無理だと泣き咽ぶ。
噛み合わない会話。彼女はひたすらに、俺から離れたがっている。
時が解決してくれるだろうか。時間が経てばまた元通りになるかもしれない。いっそ、このままここにいさせるのはどうだろうか。外堀を埋めて、否が応でも彼女がここにいなければならない状況を作ればいい。その方法はいくらでもある。実行も出来る。
ああ、でも。