クールな次期社長の甘い密約
全ての始まりが倉田さんだと分かり、唖然とする。
「私は専務の秘書ですからね。専務に津島物産の社長になって欲しいと思うのは当然の事。なので、そう提案したんですよ」
倉田さんがその提案をした時、専務は「どうしてあんなこけし女と俺が付き合わなきゃいけないんだ」と激怒したそうだ。
そこで倉田さんは、私を専務好みの女性にしますと宣言して受付にやって来た。で、私は倉田さんに連れられ美容院に行く事になる。
「しかし、初めて大沢さんを見た時、あまりの酷さに宣言した事を後悔しました」
「な、そこまで言わなくても……」
「事実を言ったまでです。だが、酷かった事が功を奏したのかもしれません。あのこけし女からは想像も出来ないほど綺麗になったアナタを見て、専務が興味を示したんですから。
これで二人が付き合えば、私の作戦は成功……そう思いました」
そういう事か……私は倉田さんの策略にまんまとハマり利用されていたんだ。
「今の話しで全て理解しました。倉田さんがしつこく専務とエッチしたかって聞いてきたのは、そういう事情があったから……
でも、倉田さんが専務の秘書だからって、どうしてそこまで……専務が社長になったら、倉田さんにも何かいい事あるんですか?」