クールな次期社長の甘い密約

「東京からわざわざ来て、風邪を貰うなんて災難だったなぁ~」


おばあちゃんとさほど年が違わないおじいちゃん先生が豪快に笑う。しかし、注射器を持つその手は微妙に震えている。


この先生、大丈夫かな? って心配していると先生が私に、注射をするから倉田さんのパジャマのズボンを下げろと言う。


「えぇっ! 私が……ですか?」

「お盆で看護師が居ないから仕方ないだろ? ほら、早く! ケツにこの筋肉注射を打てば、速攻で治るぞ」


しかし、倉田さんもこの先生に注射を打たれる事に不安を感じたのだろう。飲み薬だけでいいと言い出した。


「バカ者! 医者の言う事を聞け!」


拒否られたおじいちゃん先生が怒り出し、倉田さんの上に馬乗りになると注射器を振り上げる。


「何をしてる? 早くズボンを下げろ!」


倉田さんに元気になってもらいたいけど、激しく抵抗している彼の気持ちを考えると躊躇してしまう。すると母親が「もう~まどろこしいわね~」って怒鳴り、倉田さんのズボンを一気に引き下げたんだ。


しかし、あまりにも勢いよく引っ張ったものだから、膝の辺りまで下げてしまい倉田さんのお尻が丸見え。流石にこれには倉田さんも焦ったみたいで、本気で暴れ出す。


だが、先生はそんな事お構いなし。倉田さんの桃の様なお尻に針を突き刺した。


「うぐぐ……」


想像以上に筋肉注射が痛かったのか、倉田さんが堪らず腰を浮かすから危うくいけないモノを見てしまうところだった。が、しかし……母親には見えていた様で、イヤらしい顔で囁く。


「茉耶、秘書さん凄いモノ持ってるわよ」

< 246 / 366 >

この作品をシェア

pagetop