一目惚れ。
彼女と触れた手。
「…やっぱ女の子の話?」
彼女が透視能力を発揮した!
いや、透視能力とかじゃないと思うけど!!
「ち、ちがうし」
「うっそだぁ」
なんかすげぇヤバい状況なんだけど。
俺超墓穴掘ってるんだけど。
顔が赤すぎて。
「まぁ言いづらいならい-けど」
ほっと胸をなで下ろす。
よ、良かった…
「もう食べ終わったし、片付けしようかな。また台所貸してね?」
そう言って彼女はテキパキと片付けを始めた。
俺も手伝おうと自分の食器を台所に運ぶ。
「ありがと」
彼女が差し出した手に食器を渡す瞬間…
「…っ」
手が、触れ合った。
俺か彼女か、どっちが?わからないけど、びくっ震えた手から食器は離れ、床に吸い寄せられ、割れる。
「ご、ごめん!」
「いや、俺こそ…」
心なしか彼女の頬が赤く染まってる?
ドキドキしたのは、俺だけじゃない…?
そんな事を考えながら割れた食器を拾う。
互いに言葉は、ない。
最後の破片に触れたとき、指にチリッとした痛み。
「っやば…」
立ち上がり、血が滴る指を見る。
「だ、大丈夫?」
「少し切れただけ」