【短】紙ひこーき
右手に紙飛行機を持って構える。



スッと手から離れた紙飛行機はこちらへ届く。



「俺からの気持ち、読んでくれる?」



「修、忘れてなかったの?」



覚えててくれたの?



あんなにどうってことない会話を。



「蘭、早く―――ッ。」



あたしは飛行機をそっと開く。



そのあたしが開く飛行機の色は、



水色ではなくて



青だった。




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