ジオ
(随分と素っ気ない人だな...)


無意味なため息をついてデスクに自分のものを置いて少しホコリかぶった面をフッと息で飛ばしてゆく。


(汚い...何年使ってないのこれ...)



ホコリの層は厚く、消しカスやインクのないボールペンが引き出しの中にはたくさん詰まってた。


その辺にポイと捨てられているように置いてある雑巾を拾い上げ机を拭いているといきなり声をかけられた。



「あれ。見たことのない顔だなぁ。」



「うわっ!」



「わっ。お、驚いたな...あ、その雑巾使った?」



「あっ、すみません...」



「いいのいいの。それでさ、鈴谷くんさー」



「あの。俺、茨木です...」
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