ジオ
「おはようございます。」
「おおっ。常磐くんおはよぉー。」
私服でいいはずなのにバッチリスーツで四角い黒縁メガネ。
身長は俺より少し高いくらい。
翔太さんが『常盤くん』といったからこの人は朝日常盤なのだろう。
常盤さんは俺の方をちらっと視線だけ見てすぐに翔太さんに戻した。
「...見ない顔がいますね。」
「あー。常磐くん。このあと自己紹介するから名前は秘密ってことで...ね?」
「まあ、あなたがそういうなら、」
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「あのぉー...紫苑さんに案内されてきましたぁー...鈴谷でーす...」
その姿を見て俺は目を見開いた。
桃色に染め上げられ上の方で縛っても腰くらいまである髪をふわりと揺らし、背が文太よりひくいであろうまるで女の子のような姿がひょこっと入ってきていた。
(宮川さんの『髪が長いのが鈴谷くんか』ってこのレベルの長さ...)