ドストライクの男
光一郎は小鳥をゆっくりベットに倒すと彼女を上から見下ろす。
「俺もお前を求めている」
光一郎の唇が小鳥の唇に触れ、顎に触れ、首筋に触れる。
「愛しているよ、小鳥」
魅惑的な光一郎の言葉と唇に翻弄され、小鳥は今まで味わったことのない官能的な疼きを体に覚える。
それでも小鳥は冷静だった。
キスをされ、着ているものをゆっくり脱がされていく間も、それをどこか他人事のように感じていた。
だが、それは突然起きた。
光一郎が服を脱ぎ棄て、その素肌に手が触れた時、電気が走ったような激しい刺激が小鳥を襲った。と同時に、彼にもっと触りたい、という欲望が沸き起こる。
「どうしたんだろう……貴方に触れたくてたまらない」
小鳥の囁きに、一瞬、光一郎が目を見開く。そして、嬉しそうに微笑む。
「ありがとう。俺も小鳥に触りたくてしょうがない」
小鳥の髪を掻き上げ、何度目かのキスをする。
「だから、小鳥の初めてを僕に頂戴」
求めあう気持ちが重なり、甘く熱い時の中でゆっくり一つになる。そして、僅かな痛みと至高の喜びに果てる。
「自分では気付いていなかったかもしれないけど、無表情の君が俺の前では様々な表情を見せていた」
荒い息が収まると、胸の中の小鳥に光一郎が話し掛ける。
「喜怒哀楽が浮かぶ君の顔は本当に可愛いくて、素顔の君を見ることができる僕は幸せ者だと思った」
彼は私を特別視どころか、最初から素の私を見ていたんだ。
そして、私も……。
小鳥は彼がドストライクの男だと確信した。
「光一郎さん、私も貴方を……愛しています」
愛を知った嬉しさが込み上げ、一筋の涙となって頬を伝う。
キラリと光る美しい涙に光一郎は唇を寄せる。
「小鳥、永遠に愛を誓うよ。これからズット一緒だ」