【短編】塩系男子のススメ
栄太くん風邪ひいてる様子じゃなかった。
きっとあのお姉さんと前々から会う予定で、わざとドタキャンしたように見せかけたんだ。
走るのに疲れて近くの公園のベンチに座る。
膝丈のチュールスカートに花柄の刺繍がされた袖のスウェット。
わたしの格好はちょっと子供っぽかった。
「っ!いた………。」
涙をこらえて潤んだ視界に大好きな彼がいた。
「なんでっ……。」
「いいから。」
そう言って栄太くんはわたしの腕を引っ張って進んでいった。