【短編】塩系男子のススメ
体育祭当日、朝のホームルームでハチマキが配られる。
はやく自分のハチマキを結んで、御堂くんのを結んであげなくちゃ。
そう思うと余計焦って上手く結べない。
クラスの子たちはもうぞろぞろと外に出始めていた。
「ああ〜〜っ、もうっ。」
隣をちらっと見てみると案の定御堂くんは結び終えていた。
目が合う。
御堂くんの口角が少し上がる。
「貸して。」
綺麗な指がわたしの頭に伸びてクルクルとハチマキを結ぶ。
「ありがと……」
嬉しさとは裏腹にちょっと残念な気持ちもあったけど、そんなものはすぐに吹き飛んだ。
「俺と付き合って。」