【短編】塩系男子のススメ
もう私たちだけしかいない教室に響いたその言葉。
「返事はいつでもいいから。」
それだけ言って教室を後にする御堂くん。
ほんとはすぐにでもその後ろ姿に抱きつきたかったけど、目の前の現実をまだ信じられないでいた。
頬をつねっても痛い。
これは夢じゃないんだ。
ドキドキしながら体育祭が終わるのを待った。
帰りに御堂くんを待ち伏せして、わたしでいいなら、と返事をした。
帰ろ、と言ってわたしを家まで送ってくれた。
無事付き合えたワケだけど、一緒に帰ったのはそれっきりだった。