【短編】塩系男子のススメ
2
あっという間に半年が経ってもう12月。
わたしは"栄太くん"と呼ぶようになった。
栄太くんはまだわたしの名前を呼んでくれない。
それどころか体育祭のあの日以来、たまに一緒に帰るだけで、デートは一度もしたことがなかった。
明日から冬休みっていう終業式の日、わたしは思い切って栄太くんに言ってみた。
「ねえ、24日、イルミネーション見に行きたい。」
隣を歩く栄太くんは白い息を吐く。
「いいよ、行こう。」
付き合いはじめてからあまり目が合わなくなった。
もしかして、もうわたしのこと好きじゃないのかな?
少しの不安を抱えたまま、24日はすぐに来た。