センパイ、好きです。



「梓、お前少しは見てやれよ……」

笑いながらもそう言ってくれる先輩に感謝してると、女の人は何かを思い出したように私のことを指さした。


「あ、あなたぶつかった時の…!」

「あーー!!あの時はすいませんでした!」


そうだ、この人ぶつかった人だ。



「大丈夫だって~。」


そう言って微笑んだ顔も、とても美しい。



「あ、もうそろそろ時間よ 大丈夫?」


その言葉に時間を確認すると、休み時間終了まで残り3分。

「あ、やばい!帰らないと…!」

私は、焦って後ろを向いた時誰かにぶつかり転びそうになった。



「…明日から4時にここ来て」


梓先輩が、私を支えてくれて、小さな声でそう告げた。




「わ、わかりました……っ」


嬉しくて、私は人生の中で1番の速さで教室に向かった。





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