センパイ、好きです。
辛くない恋などない
………勉強を始めて、30分経ったけど
全然集中できない私。
それを見計らったのか、美和ちゃんが勉強道具を全て片して、立ち上がった。
「……すいません、用事思い出したんで
帰ります。ほら、行くよ鈴菜」
そう言って、私の道具を持って、私の手首を引っ張った。
「え!? 美和ちゃん……っ、」
グイグイと引っ張り、下駄箱まで来ると
急にパッと離した。
「なに?なんなの?さっきまであんなに
楽しそうにニヤニヤしてたのに、急に
しんみりしちゃって、なんなの?」
あ、美和ちゃん……
言葉はちょっときついかもしれないけど、
いつだって、私のことを考えてくれて
心配してくれる美和ちゃんが、私は
大好き。
溢れてくる涙に気が付き、美和ちゃんは
私の腕をまた引っ張り、場所を移動させた。
そして、私はさっきあったことを話し始めた。