恋せぬ王子と恋する少女
決心
きっと、この返事をしたら傷つけてしまう…
でも、自分に嘘はつけない…。
「私…」
雅がいいかけたその時、
「待ってくれ!そんなすぐに返事しなくてもいいんじゃないか?」
そう言って止めたのは隼人だ。
きっと、雅の言いたいことを、わかってしまったのだろう。
「うん、でもね…私の中で決心がついたの…」
「わかった…。」
隼人とひかる、2人がまっすぐに雅を見る。
2人の顔を見て、雅が言った。
「隼人ごめんね…、私はひかるくんといたい」
それを聞いた隼人は、
「 そんな気はしてたよ 俺は大丈夫だからさ」
笑いながらそう言って、どこかへ行ってしまった。だが、ひかるも雅も隼人の笑顔が少し悲しく見えた。
「ひかるくん…私はひかるくんがいい」
「あぁ、それより言いたいことがあるんだけどいいか? 雅が自分の気持ちを言ってくれたんだ。俺も伝えておくべきだと思ってな」
雅はキョトンとしつつも耳を傾けた。
そしてひかるが言う。
「俺の彼女になってほしい」