恋せぬ王子と恋する少女
「ふぁ〜、学校行きたくないなぁ…」


眠気に襲われながら登校する雅。


「眠たいの?」


歩いている後ろからふと声をかけられた


「うん、ちょっと寝不足なんだぁ…って、え!?」


声をかけてきたのは双葉ひかる君だった、つい寝ぼけてたのか返事をしてしまった。


「あはは、俺のこと覚えてる?」


「お、覚えてるよ!! 双葉君は有名だし…w」


雅はまさか、昨日の今日で話しかけられるなんて思ってなかった。


「ん?俺が有名? なんで?」


双葉くんが純粋に聞いてきた


「だって…、双葉くんかっこいいから女の子の間だと王子様って呼ばれてるよ?」


な、なんで私素直に答えちゃってるんだろ…
そんなことを思いながらもひかるの質問は続いた。


「へぇー、じゃあ雅ちゃんも俺がかっこいいって思うわけ?」とひかるが聞いた。


「え…?、えっと…」


あまりに唐突な質問になんて答えたらいいか分からなかった。


「冗談冗談w 俺彼女作らないからw 彼女よりペットになれる女が欲しいしな」


…!?、ペット?聞きまちがえかなと思った。
するとひかるが雅に近づく。


「雅ちゃんさ、俺のペットになって。つまり犬とか猫みたいな」


あまりに衝撃的な発言に耳を疑った。


まさか、学校一イケメンって言われてるひかるくんにペットになってって言われるとは思わなかったから…。


「え…?ペットって…? なにかの冗談だよね?」と雅が聞き返した。


「ん?冗談?違うけど。雅ちゃんならなんでも言うこと聞いてくれそうだから」


正直頭が状況に追いつけていない、でも断ろう。そう決めた雅。

だが…。


「い、いいよ…。」


なぜかOKしてしまった。

自分自身に驚く雅


「雅ちゃんならそう言うと思った♪」


そしてそのあとひかるくんは何事もなかったかのように私と一緒に登校した。


それにしても、ペットってなんだろう…。
私は少し不安ながらも、「ペットになって」と言ってきた時のひかるくんの顔が頭に浮かんだ。
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