恋せぬ王子と恋する少女


「うん、それでね…」

雅が話す。



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「よかったな。お前の頭で俺と同じとこ合格できて」


ひかると陽菜は同じ高校を受験し、無事2人とも合格したのだ。


「か、簡単だったもん!試験なんか!」


正直、陽菜はギリギリだった…w


「それよりさ!私の制服姿…、どうかな似合う??」


「ん、全然」


「もう、ひかるのばかっ!」


2人は相変わらず仲が良く、高校でも上手くいくと思っていた。


そして、とある日の夜。

ひかるに電話がきた、陽菜の携帯からだ。


「陽菜? どうした?」


「ひかるくん……。あ、あのね…」


喋る陽菜の声はいつもと違い、涙ぐんでいた


「お前泣いてんのか?」


「…、泣いてないよ…」


ひかるは何がなんだか分からず、とりあえず陽菜を慰め続けた。

そして、陽菜がまともに喋れるようになると…



「実は私ね…癌(ガン)になっちゃったんだ…」


ひかるは突然の事に言葉が返せない。
そして陽菜が続ける。


「手術してもね、完治できるかわからないくらい進んでるらしいの…」


いつも元気な陽菜の声に元気を感じられない


「おま…、それ、本気で言ってんのか…?」




「うん… ごめん……。」


陽菜はなぜか謝った。


「同じ高校受かってこれから一緒に思いで増やせるって思ってたんだけどね…!!」


泣きながら言う陽菜の声を聞き、いつもは素っ気ない態度のひかるも涙が出ていた。



「馬鹿か、まだ生きてんだぞ。今から思い出増やせるだろーが」



陽菜はそう言ってもらえたのが嬉しくて、少しニヤケながら返事をした。



「うん…」




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「そんな感じで、ひかるくんは彼女とそれから思い出をいっぱい作ったって聞いたんだ…」



雅は話し終え、なぜか雅が涙していた。


「そうだったんだ」


と、結衣と隼人はしっかりと返事をした。
だが、真実を知った2人もなぜか涙していた。




きっとこのあと、ひかると陽菜の別れがくることを、知っていたから…。



そして、自分達がひかるの過去を知っても何もしてあげられないことが、雅、結衣、隼人には辛かった。















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