▷僕らは運命共同体◁
「ーーーっくぅぅうっ…。」
ずっと丸めていた背中を伸ばす。
欠伸が出るほど気持ちいい。
どのくらい時間が経ったのか、俺の周りには人っ子1人居なかった。
ドアは閉められず開けてあるが、誰も俺を起こすという行為を思い浮かばなかったのだろうか…。
後から来た転校生はもう居ない。
美少女という者は、こんなにもあっさり人を引き付けるものなのか?
1人悩み、切なさを身に染みたあげく、次は体育の授業である事に気づく。
「ーーっんだよ!俺が1番好きな授業じゃねぇーかよ!!」
1番好きな、と言ってもそれ以外好きな授業は無いけど。
俺は毎回綺麗に洗っている体操着を詰めているビニール袋を掴んで走り出す。
おもむろに時計の針を覗く。
「あと、チャイムがなるまで3分…。」
教室から男子更衣室まで約2分、
着替えるのに5秒、
体育館に行くまで30秒…。
ーーいける!!!
俺の計算通りに行けば、3分後、俺は体育館でバスケをしているところだった、のに。