▷僕らは運命共同体◁
「ソウデスネ、ハイ。スミマセン。」
「なんだよそのカタコト。顔まで四角くなってんぞ。」
…まぁ、そんな訳で、最強女番長と名を轟かせている姉な訳です。はい。
俺もこの学校に進学するまで、ねーちゃんの周りにはいつも友達が溢れていたから、てっきりねーちゃんは学校の人気者なんだと思っていた。
・ ・ ・☁︎
「紗英さん!今日は何処に繰り出しますか!?」
整列する筋肉ムキムキの男達。
そんな男共の前でドラム缶に股がり背中をゆっくりとくっ付ける。
ダラダラと寝転びながら背中にあるドラム缶をまるでベットのように扱う姉。
「アイスクリーム食べたーい。」
とてつもないわがままを放つ。
「ーーうぉぉおおおい!新入り~!!アイスクリーム買って来やがれ〜!!」
「ーーちっーす!いってきやす!!!」
しかし文句一つ言わず走っていく男達。
仲のいい友達の光景の一部だと、友達0人の俺は思っていた。
・ ・ ・☁︎
他にも姉はモテているだと思っていた。
「ーーあっ、辰也さんちぃーーす!!!」
「「「ちぃーーーす!!!!」」」
俺に気づいた集団の1人が俺に挨拶をすると、その周りの友達(今となっては子分)たちが声を合わせてまたもや俺に挨拶をする。
最近流行りの挨拶なのだろうか…。
小声で返してみる。
「……ちぃぃす。」
人の玄関の前で、また飽きもせず姉の出迎え。
花道を作るように整列している男共。
「……あの、なんでそんなにも姉の言う事聞くんですか?うざく無いですか??」
「ーーどんでもない!!俺達が無理矢理やらせてもらってることですから!!」
「ーーそうっす!!俺らは紗英さんの心意気に惚れたんっス!!!」
なるほど。
姉はモテるのか。
・ ・ ・☁︎
とんだ勘違いだった。