▷僕らは運命共同体◁
「加藤さん!!俺!!俺の隣空いてます!!!」
「ーーいやいや、うちいるんですけどっ!!?」
「いや、こっちの席の方がいいと思います!!今なら女子委員長(頭いい)が付いてきます!!」
「ーーちょっと、私をオプションみたいに言わないでよね!!?」
盛り上がる教室に1人、混ざりきれない俺。
とりあえず、目の保養としてもう1度転校生を見る。
ーーパチッ
「ーーっ!!??」
気のせいか、さっきから彼女とよく目が合う気がする…。
その度俺は先に目を逸らす。
不自然だっただろうか…?
いや不自然以前に、きっと彼女は俺の事なんてみていない。
「せんせー!!考えてみれば、空いてる席って1つしかありませーーん!!」
「あれーー?そーだったっけ??先生うっかり♡」
頭にコツンとテヘペロ感を醸し出す担任。
絶対分かっててしてただろう…。
「……はーい、じゃあ空いてるのは黒崎くんの隣ね。あそこ行ってちょーだい。」
「ーーはい。」
教室がまたもや静まり返る。
…先生勘弁してくれよ。
周りの視線がチョー痛い。
特に男子。
ジェラシーの念が俺に降り注ぐ中、その間をスルリと通り抜けてきた転校生。
「ーーよろしくお願いしますね。」
にこりと向日葵のような暖かい微笑みを俺にしてくる加藤サン。
やめてくれ加藤サン…。
周りの男共のように俺も君に惚れてしまう。