それでもあなたが愛おしい。
「えっと、あのうん。
ありがと」
そう言うと頑張って笑いをこらえている禅。
普段ムカつくことばかり言われるけど、こんな事をたまに言われると調子がどうも狂う。
「さ、帰りますよ。
禅、出せ。」
「はい。」
ゆっくりと進んでいく車。
いつもとは違う景色。
でも、何故か全てが輝いて見えた。
ー「私たちが全力で守りますから。」ー
「ふふっ」
なんだか、心が踊る。
心にもいいところあるんじゃない…