君とまた、出会う夏
すると、ずっと黙って聞いていたナツがすっとその場にしゃがみ込み、あたしの頭を軽くなでた。
無言だったけど、その手がすごく暖かくて。
ふわっと笑うナツの笑顔が心から愛しいと思ってしまって、あたしはまた、泣いてしまった。
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ナツの手の暖かさに浸っていると、すでに6時半を過ぎていた。
あたりは夜の準備が整い始めていて、公園の近くの道を歩く人もすっかり減った。
「紫苑、もう帰ったほうがいいんじゃね」