君とまた、出会う夏
自分でも半ば呆れながらも、これから始まる新しい生活に胸を弾ませる。
こんなに明るい気持ちになれたのは、いつぶりだろうか。
あの日から止まったままの時間が動き出す。
謎の少年、ナツと一緒に。
****
「ここがうちだよ」
「………でけぇな」
ナツがうちに住むと決めてから、善は急げということなのかさっそく家に戻った。
家は、案の定真っ暗。
お父さんは、この家を嫌う。
多分、お母さんとの思い出がつまった家だから。